八尺瓊勾玉は呪物？歴史とスピリチュアルを読み解く

八尺瓊勾玉は呪物？歴史とスピリチュアルを読み解く

日本神話に登場する三種の神器のひとつである 「八尺瓊勾玉（やさかにのまがたま）」をご存知でしょうか？。

古代から伝わる勾玉（まがたま）を特別な霊力ある宝物として位置づけたもので、

「日本の最高位の守りの宝」
「皇室に代々受け継がれてきた神聖な勾玉」

と言われています。

しかし近年、ネットやオカルト界隈では「呪物」「強力な霊力を宿す石」と語られることが増えてきているようなんです。

本当に八尺瓊勾玉は呪物なのか？

その由来・象徴・霊的解釈を多角的に掘り下げていきます！

八尺瓊勾玉とは？呪物なの？

八尺瓊勾玉は、日本最古の歴史書『古事記』『日本書紀』に登場する三種の神器の一つです。

• 八咫鏡（やたのかがみ）
• 草薙剣（くさなぎのつるぎ）
• 八尺瓊勾玉（やさかにのまがたま）

この三つは、天照大御神が天孫・瓊瓊杵尊（ににぎのみこと）へ授けたとされ、皇位継承の象徴となっています。

八尺瓊勾玉は現在も皇室に伝わり、勾玉そのものは三種の神器の中では比較的「実体のあるもの」とされているんです。

形状は動物の牙にも見え、胎児の形とも言われていて、素材は古代では翡翠・瑪瑙などの半貴石が使われ、装飾品としてだけでなく護符・祭祀道具としての役割を持っていたようです。

勾玉は“呪物”として作られたのか？

勾玉は古代から作られていたカーブした"勾型"の石の装飾品で、用途としては以下のようなものがありました。

• 魔除け
• 霊力の象徴
• 王族・豪族の地位の証
• 死者の守護

などの意味があり、ただのアクセサリーではありません。

素材には翡翠（ヒスイ）や瑪瑙（メノウ）が使われていました。

魔除けの道具として使われていた

考古学的には、勾玉は首にかける護符として使われ、「外部からの邪気を退ける石」と信じられていました。

特に翡翠（ヒスイ）は「不滅」「繁栄」「生命力」を象徴すると考えられ、王族や巫女が身につけたものです。

これだけでも勾玉は、現代でいう“お守り”や“霊的道具”に相当します。

 死者の副葬品にも使われた

遺跡からは、勾玉が墓に一緒に埋葬されているケースが多いようです。

古代人にとって勾玉は 死者を守ったり、来世への通行を守る呪具 として扱われたと推測されています。

呪術・まじないの象徴でもあった

古代の呪術者（巫女、シャーマン）は、勾玉・鏡・剣を儀式で使用していたという説もあります。

これは三種の神器と構造が同じで、勾玉は本質的には「呪具」に分類される可能性が十分にあると考えられています。

八尺瓊勾玉の「八尺瓊」の意味

“八尺瓊（やさかに）”とは、

八＝多くの

尺＝長さ

瓊（に）＝赤い玉、美しい玉

という意味を持ちます。

つまり 「たくさんの美しい赤い玉で作られた勾玉」 というイメージの名称です。

実際には「勾玉＋小さな玉（管玉など）が連なった首飾りの一部」を指すとされる説もあります。

八尺瓊勾玉が“呪物”と呼ばれる理由

では、現代において八尺瓊勾玉が「呪物」と語られる背景を詳しく解説していきます！

理由1,神器＝神霊が宿ると信じられた

神器は「神そのもの」という意味を持ち、神社や宮中では神霊の依り代として扱われていました。

依り代とは神が宿る対象物のことですが

神霊が宿る＝人智を超えた力を持つもの

という解釈が広がり、“呪物的”と捉えられるようになったようです。

理由2,神器を巡る物語が神秘的だった

天照大神が天岩戸に隠れた際、勾玉は太玉命（ふとだまのみこと）が祭祀で用いました。

太陽神を誘い出す儀式に用いられたことから、「世界を再生させる力を持つ呪具」と解釈されることもあります。

理由3,実物が非公開であるため“力の象徴”になる

三種の神器は基本的に一般公開されていません。

秘密性の高い物は、自然と神秘性・畏怖を呼び込み、「呪物」というイメージが濃くなります。

スピリチュアル的に見る八尺瓊勾玉の意味

現代のスピリチュアル界では、勾玉には次のような意味が与えられています。

• 生命力・再生
• 浄化
• 魔除け
• エネルギーの循環
• 陰陽の調和
• 過去と未来をつなぐ象徴

特に八尺瓊勾玉は「皇室の象徴」でもあるため、“日本全体の守護”“強力な結界”といった力を象徴するとも言われています。

ただし、これは宗教学的・歴史学的な根拠があるわけではなく、現代のスピリチュアル解釈です。

神器とは

「神器（じんぎ）」とは、神さまにまつわる特別な道具・宝物のことを指す言葉で、「神聖な力が宿る、とても大切な道具」という意味です。

神さまが使う道具・持ち物

神話の世界では、多くの神が武器・鏡・玉・剣などを持っています。

それらは単なる“物”ではなく、神の力の象徴です。

たとえば以下のようなものが有名ですよね。

• 天照大御神の八咫鏡
• スサノオの天羽々斬
• 大国主の神杖

など。

神を祀るために使う祭具

神社にある鏡・剣・玉・太鼓などの神具も“神器”と呼ばれます。

これらは、神霊を迎えたり祀るための道具で、神事に欠かせないものです。

「三種の神器」のように国家的意味を持つことも

日本で“神器”と言えば、特に有名なのが三種の神器です。

• 八咫鏡（真実・知恵）
• 草薙剣（武力・勇気）
• 八尺瓊勾玉（守護・繁栄）

これは天照大御神が天皇家に授けたとされ、「統治の正当性」「神とつながる象徴」を意味します。

つまり神器は、神と人をつなぐ最上位の象徴なんですね。

神器が特別視される理由

神器は、

• 神霊が宿る依り代
• 神の力を象徴するシンボル
• 呪術的な働きを持つと信じられた
• 王権の正当性を保証する「印」

といった役割を持っています。

そのため古代から、「神器を持つ者こそ権力者」という思想が生まれました。

現代では、神器は浄化、霊的守護、エネルギーの象徴、神の加護を受けるための道具といった意味で扱われることがあります。

八尺瓊勾玉は“呪物”なのか？ まとめ

結論としては、

• 古代では護符として使われた「呪術的な道具」だった
• 現代では神聖な象徴として扱われている
• そのため、呪物と呼ばれるのは半分正しく、半分誤解である
• “呪物＝危険な物”ではなく、“霊性を持つと信じられた儀礼用具”に近い。

勾玉は本質的に「負の呪い」ではなく、「守り」「調和」「浄化」を象徴する石として受け継がれてきたものであるといえます。