あなたは、あなたのことが好きですか?
自分のことを愛していますか?
この質問に、すぐに「はい!」と答えられる人は稀だと思います。
私たちは子供の頃から、自分のことよりも他人のことを配慮し、気を遣いながら生きることを美徳と教えられてきました。さらには、自分の思いはなるべく隠して、遠慮したり、謙遜したりすることも良しとされています。
他人に気を遣う、遠慮をする、謙遜をする
これら自体は悪いことではなく、日本人の美しさや優しさを表すものだなぁと感じます。ですが、このことに軸を置いて生きている人のなんと多いことか!自分の人生なのに、まるで他人を軸にして生きている方が本当に多くて、驚きます。
他人軸で生きるということは、自分を愛することを置き去りにした生き方。そもそも「自分を愛する」なんていう発想すら、浮かばない人もいるかもしれません。
ヒレルが残した言葉
ラビ・ヒレルという、紀元前一世紀の頃に活躍したユダヤ教の律法学者がいます。そのヒレルが残した言葉に、こんな文章があります。
もし私が自分自身のためにしないならば、
誰が私のためにするのか。もし私が他の人のためにしないならば、
私とは誰なのか。今がその時でないならば、
いつがその時なのか。
私たちは、自分を一番に考えている人に対して、自己中心的だとかワガママと言って非難します。だけど本当にそうでしょうか?
私のことを一番に考えてくれるのは、私です。私の両親は、私のことを大切に思ってくれていますが、それでも両親には両親の人生があり、やはり本人たちの人生が一番大切なはずです。
「親は子供のためなら命を捨てても惜しくない」と言いますが、確かにそれはそうだと思います。私も子を持つ親として、子供のために命を捨てることはできます。だけどそれも、私のため。
だって私は子供に先立たれるのだけは、どうしても避けたい!子供にもしものことが起こるのなら、私が先に死んだ方がいい!と思うので、命を捨てることができるだけです。
私を世界で一番愛せるのは私
私は、「世界で一番自分を愛し、大切にしよう!」と心に決めています。「世界で一番自分を愛する」なんて、日本人的感覚で聞くと批判されそうなフレーズ!だけど、実はこれは世界中の誰もが持っているベースの考え方のはず。
どの人も自分が一番可愛くて大切。でもそれを良しとされてこなかったし、他人を尊重するように教育されてきているので、なかなか意識できないだけです。
自分を愛し、大切にすると言っても、ワガママ放題やったりするわけではありません。他人の顔色を伺うのではなく、自分がどうしたいのか?どう感じたのか?を軸に生きるだけ。
例えば、目の前の人が「中華料理が食べたい」と言い、私は「和食が食べたい」と思ったとします。そんな時は、自分の気持ちをそのまま突き通す方法もありますが、それは子供のやることです。大人であれば話し合いができます。
話し合いの結果、「じゃあ別々のお店で食べてから、また落ち合おうか」ということになるかもしれないし、「中華料理も和食も食べられるファミレスに行こうか」となるかもしれません。
自分の気持ちを大切にしていたら、自然と相手の気持ちも大切になるので、否定しあうことがなくなります。
他人は鏡に写った自分
宇宙には「鏡の法則」というものがあり、他人はみんな自分の鏡です。だから自分のことを大切にできる人は、他人のことも大切にできます。逆に、自分を粗末に扱っている人は、他人のことも粗末に扱います。
さらに言うと、他人から普段どう扱われているかによって、自分が自分をどう扱っているのかがわかります。
「いつも他人に怒られてばかりいる。」と言う人は、いつも自分で自分を怒っています。
「他人によく無視をされる。」と言う人は、自分のことを無視しています。
こんな風に、鏡の法則は自分の今現在の思いのクセや、捉え方を教えてくれる便利なものです。
自分を愛していたら問題は起きない
35年以上生きてきて、いろんなことで悩んできましたが、ほとんどの問題は、私が私を許せていないことが原因でした。それは今だからわかることです。悩んでいる当時は、悩みを解決しようと一生懸命でしたが、本当は解決する必要なんてなかった。ただ、「自分のことを大切にする!」と決めればいいだけでした。
今でも自分の気持ちよりも、一緒にいる相手の都合に合わせて行動してしまったり、周りの人の顔色を伺ってしまうことはあります。でもそうすると、すぐにイライラしたり、気持ちがモヤモヤして全然楽しい気持ちになれないのです。ワガママかも?迷惑かも?と思いながらも、自分の気持ちをきちんと表現すると、問題は起きません。
自分を大切にする、自分を愛するって、とても怖いのです。素直に自分の気持ちを表現したら、嫌われるかもしれない!と思うからです。でもその「怖い」に飛び込まないと、人生が好転しないのですね〜。
少し前の世の中ならば、「努力すれば報われる」ような空気感だったので、自分のことをおざなりにしても根性で頑張っていれば、ある程度の幸せは掴めたのかもしれません。でももうそんな時代は終わったようです。
たった今、何かに悩んでいる方は、自分のことを愛せているか?確認してみると、悩みが悩みでなくなるかもしれませんよ!