今日は私がとても大切にいている本をご紹介します。
「なんだか人生がつらい。生きにくい。」
「いつも誰かの顔色を伺ってしまう。」
そんな風に思っている方々におすすめしたい本です。
著者の斎藤学(さとる)氏は、精神科医として活躍されている先生です。共依存、依存症などに関する本を多く出版されていて、家族との関係が人生にどれほど大きく影響するのか、をわかりやすく教えてくれます。
アルコール依存・薬物依存などの嗜癖(依存症)研究の第一人者でもあり、過食症・拒食症、児童虐待などに関しても研究されています。
私は斎藤先生の本が大好きで何冊も持っていますが、特に今日おすすめする『「自分のために生きていける」ということ』という本は、何度も読んでいて、一番のお気に入りです。
「自分のために生きていける」ということ 内容ご紹介
この本は、家族との関係が原因で生きにくさを感じている人たちが主役です。数人のクライアントのケースを元に、斎藤先生の説明とやりとりで構成されています。
家族を主体にし、自分自身を失って生きている人たちは、自分の感情が摩耗していきます。自分の気持ちや感情、欲望がわからなくなった人たちの、原因についてわかりやすく書かれている本です。
登場するクライアント達が、徐々にいきいきとした感情をとりもどし、自分の足で未来へと進み始める様子はとても感動的です!特にラストに掲載されているクライアントから斎藤先生に送られた手紙は、本当に感動して何度読んでも涙が出てくるほどです。
私的感想
私はこの本が本当に大好きでして、1年に一度は必ず読んでいます。また、家族や友人にも貸しまくっています。
私の子供達はまだ小さいけれど、高校生になったら読ませようと思っていますし、この本は学校で生徒達全員に読ませたほうがいいと思うほど、良い本です。
家族は私たちが生まれた一番最初に出会う他人であり、組織です。その家族の関係性は、死ぬまで引きずるもの。家族との関係性によって人生が生きやすくもなるし、生きにくくもなります。
それほど家族は重要なのに、生まれた時から一緒にいるから、家族が異常か正常化は自分ではわからなくなってしまいます。本当はちょっと変わってる家族に育てられて、生きにくさを抱えているのに、なぜ生きにくいのかは誰も教えてくれません。そして生きにくいと感じる自分を、ダメな自分と捉えて、悩んでいる人が多すぎる。
悩むぐらいならいいけれど、精神的にも肉低的にも異常な状態が起こり、普通の生活が送れなくなってしまいます。
感情の薄い現代人
私自身は、病気などなく人生は普通に送れていると思っていますが、この本を読んだら、自分の感情の薄さに気がつきました。
現代人は感情が薄い人が増えていると言われていますが、気がついていないだけで、感情が摩耗している人は多いと思います。
感情って、感じるとつらい時もあるけど、人生の豊かさそのものです。
寂しくて、退屈な人たちへ
本の副題に「 寂しくて、退屈な人たちへ」と付いています。本の中に書かれていますが、私たちは「寂しくて、退屈」なのが当たり前。ちょっと寂しい。ちょっと退屈。だけどその思いこそが、自分のために生きる一歩になる。そんなことを教えてもらいました。
退屈さを感じると、つい何かして刺激を求めてしまいますが、退屈な静かさが人生を豊かにしてくれるのだなぁと心から感じています。
スピココ的おすすめ度
★★★★★
星5つ!もっと星を増やしたいぐらいです!
文章の読みやすさ、わかりやすさ、ボリューム、内容、面白さ。全てにおいてスピココは満点です。
「なぜかわからないけど人生が生きにくくて、面白くない。」そんな思いがある方には是非読んでいただきたい本です。
家族ってなんだろう?感情ってなんだろう?自分のために生きるってなんだろう?
こんな疑問に、ひとつの答えを教えてくれる本です。